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ハワイのABCストアの歴史を大紹介!日系人ファミリーが叶えたアメリカンドリーム

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2021/01/25 17:00 2021/01/26 19:34 UPDATE

ハワイへ来たら必ずと一度はみなさんお世話になるABCストア。ワイキキ内だけでもかなりの店舗があるこちらのお店、実はオーナーは日系人の「コササ・ファミリー」が作ったビジネスだったってご存知でしたか?
今回は、ABCストアの歴史や、コササ・ファミリーの歴史を大紹介します。

ABCストアの歴史

コササ一家の歴史

ABCストアは日系人のシドニー・コササさんによって創業されました。現在は、シドニーさんの息子さんであるポール・コササさんが2代目CEOとして手腕を振るっています。

この一大コンビニエンスストアチェーンを創業したシドニーさんのお父さんは日本からハワイに渡ってきた日系一世のモリタ・コササさん。

ABCストア創業のストーリーの前にこのモリタ・コササさんの人生と、コササファミリーの歴史からひもといていきましょう! 

モリタ・コササさんは岡山県からハワイのプランテーションで仕事をするためにハワイ移住してきた日本人、いわゆる「日系一世」の方です。モリタさんの奥様、ミツエさん(シドニーさんのお母さん)はとても教養がある方で、ハワイでは日本語学校の先生をしていました。

1917年、モリタさんとミツエさんは当時たくさんの日本人が住んでいたエリア、カイムキにM. KOSASA商店をオープン(後に、M. KOSASA グロッサリー&ブッチャーと名前を変更)。今からなんと100年以上も昔のことになります!
繁盛店となったこの商店が、コササ一家の小売店経営の歴史の始まりでした。

 

シドニーさんは小さい時から両親の店を手伝い、小売業を身近に見ながら育ちましたが、ある日、母ミツエさんに
「小売店として利益を上げていくのは大変だから、薬学部へ行き、薬剤師になってドラッグストアをやったらどうか」
と勧められたことから、カリフォルニアの大学へ進学します。

 

 

初代オーナー シドニーさん、苦しい戦争時代、そして開業!

シドニーさんはカリフォリニア大学で薬学部へ進学し、勉学に励んでいました。しかし、もうちょっとで卒業というときに、第二次世界大戦時の大統領令9066号により、当時アメリカ西海岸とハワイにいた日系人は強制収容所に送られてしまうことになります。シドニーさんもカリフォルニアにいたため、収容所送りになりました。

当時交際をしていたシドニーさんとミニーさんは収容所内で結婚をしました。


シドニー&ミニー・コササ夫妻

 

1943年に収容所を出ることができた二人。シドニーさんは、その後、ミズーリ州セントルイスにあるバーナーズ病院で薬剤師として仕事をはじめました。

その後戦争も終わり落ち着いた頃に、二人はハワイへ戻ってきました。お母さんのアドバイス通り、1949年にカイムキでスリフティードラッグというドラッグストアをオープンさせます。

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いまでも少し懐かしい雰囲気の残るカイムキですが、面影がありますね。

 

 

 

ABCストア誕生秘話「ハワイは一大観光地になる・・!」

1960年代前半に、仕事でマイアミビーチを訪れたシドニー&ミニー夫妻。そこでたくさんの観光客が買い物をしている姿を見た夫妻は、
「将来ワイキキもマイアミビーチのように観光が盛んになるはずだ!ワイキキにお店を出そう!」
と決めました。

そうして、1964年、当時はまだ2、3軒ほどしかホテルがなかったワイキキにABCストア第一号をオープンさせました。

 

その後、海外旅行が身近になり、ハワイへの観光客がブームなりました。そこでシドニーさんはもっとお店をオープンできるように場所を探し始めました。
リタイヤをしようとしていたお店を引き継ぐなどして新たなABCストアをどんどん開店し、今のような「ABCストア帝国」の基盤が作られていったのです。

ちなみにお店の名前の由来は、誰が聞いてもすぐに覚えられるシンプルで簡単なものだからだそう。
どの国の人が聞いても忘れられないこの名前を、ハワイが世界的な観光地になる前に押さえていたシドニーさんの先見の明!同じ日本人として尊敬の念が湧いてきます!

 

 

二代目オーナー ポールさん「お客様のニーズに応える!」

その後、順調に店舗を増やしながら、現在の経営は二代目オーナーのポールさんに引き継がれています。

今ではABCストアはオアフ島に約70店舗、ハワイ外ではラスベガスやグアム、サイパンなどに店舗を設けています。(※2020年1月現在、新型コロナウィルスの影響で、一時休業している店舗もあります。)

 

小売店として大きな成功をおさめたABCストアですが、ポールさんは二代目社長としての新しい挑戦の手を緩めませんでした。

ストアの経営を続ける中で、「人は必ず食事をする。特にハワイに旅行に来る方々はハワイでの食事を楽しみたいはず。」と感じたポール
ABCストアの定番である、スパムむすびやお弁当などを始め、新しい食体験を提供する新業態店舗、「デュークスレーン・マーケット&イータリー」を4年前にオープン。

ABCプロデュースのレストラン「バサルト」はじめ、フードコート、ベーカリーや新鮮な食材を購入することができるグローサリーとレストランの複合施設”グローサラント”業態の一号店です。

バサルトはアジアの味を取り入れた現代的なレストラン。朝ご飯からディナーまで、おいしいお料理を提供しています。

 

ポールさんは父シドニーさんのことを「父は革新的で、いつも従業員の事を気にする人でした。」と話します。その考えは今も変わらずポールさんに受け継がれています。
ABCストアは従業員のことを思いやる会社だからこそ、従業員も働くことが大好き、この会社が好き、と胸を張って言えるんだそうです。

また、ABCストアの本社にお邪魔したことがありますが、カカアコの倉庫街にある飾り気のない古いオフィスで、ワイキキで見るABCストアのイメージからすると、えっ?と驚くほど。一方オフィス内の整理整頓などはキッチリと行き届き、こうして内部では質実剛健な経営を貫くことで、表では華やかなバリューをお客様にお届けしているのか・・・と

最後に、現オーナーのポールさんから、KAUKAU読者の皆様にメッセージをいただきました。

ポールさん:
日本の皆様に会える日が待ち遠しいです。ABCストアのスタッフは皆、また安全になって皆様とお会いできることを心より楽しみにしています。

 

 

創業者のシドニー・コササさんは、日本とアメリカの間の悲しい歴史「日系人収容所」も経験されながら、戦後このABCストアの一大ビジネスを作り上げました。
アメリカン・ドリームを実現したコササ・ファミリーは成功した日系ファミリーとして尊敬であり続けているのです。

ハワイに来た時に何気なく行っていたABCストア。こんな歴史があったんだ、と感じながら次のハワイでは足を運んでいただきたいです。

KAUKAUでは、ハワイの老舗人気店の歴史をお届けしています。ぜひ第一段のマツモトシェイブアイスもあわせてご覧ください。

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